目次
北欧のスーパーに学ぶ“未来の店舗運営”。 ~スコープが毎年スウェーデン視察を続ける理由~
- ご案内サステナビリティ・食品ロス
日本の小売業界ではいま、経費削減・人手不足対策・食品ロス削減・DXの推進など――さまざまな課題が複雑に重なり合っています。
その突破口を探すため、スコープでは毎年、スウェーデンを中心とした北欧への「サステナビリティ視察ツアー」を実施しています。
なぜスウェーデンなのか?
そこに行くことで、どんな“学び”が生まれるのか?
本記事では、スコープがスウェーデン視察を続ける理由を、3つの視点から紹介します。
【1】あえてスウェーデンで学ぶ理由

北欧のスーパーマーケットや自治体を訪れると、日本とは“前提のちがう”サステナビリティの姿が見えてきます。机上ではなく、現場で体験して初めて分かる学びが、スウェーデンには詰まっています。
1.サステナビリティが“社会の前提”として機能する国だから
スウェーデンでは、環境配慮や食品ロス削減は「やった方が良いこと」ではなく、社会が動くための前提条件になっています。
行政、教育、企業、家庭――どのレイヤーを見ても、考え方が一本の軸でつながっています。
2.小売・フード業界の先進事例が“現場で”見られるから
ICA、COOP、SPAR をはじめ、DXを駆使した食品ロス削減・棚管理・寄付の仕組みが一般化しています。
展示会ではなく「通常営業の店舗」で視察できるため、現場の空気感ごと学べるのが大きな魅力です。
3.政府・自治体・企業の「三位一体の仕組み」が明確だから
スウェーデンでは、政策 → 導入 → 運用 → 市民参加という一連の流れがスムーズ。
「なぜ実装が進むのか?」という疑問が、制度と現場の両面から理解できます。
4.日本の課題を客観視できる“学びの鏡”になるから
自国にいては気づきにくい課題も、他国を見ることで見えてきます。
食品ロス、寄付文化、DXの取り組み方など、日本の弱点と強みの両方を冷静に把握できます。
5.“未来の日本市場”のヒントが得られるから
人口構成、価値観、環境意識――スウェーデンは日本より約10年早く変化を経験しています。
そこには、日本がこれから直面する課題の“答え”が先に置かれているのです。
6.地域ぐるみの“人づくり・文化づくり”を体験できるから
学校教育や地域イベントでは、子どもたちが自然とサステナビリティの価値観を体得します。
「人が環境を守る文化」がどのように育つのか、現場で実感できます。
7.“自分たちでもできる”と思える実行モデルに触れられるから
スウェーデンの取り組みは、壮大な投資や特別な技術ではなく、小さな改善の積み重ねで成り立っています。
視察を終えた参加者が必ず言うのは、「やろうと思えば、日本の現場でもできる」という実感です。
【2】サステナビリティ先進国スウェーデンの実力
~日本はスウェーデンよりどれだけ遅れているか?~

スウェーデンと日本の取り組みを比較する際、単一の指標で語ることはできません。
しかし、いくつかの国際指数を並べてみると、社会実装スピードの違いが浮かび上がります。
[ SDGs達成度ランキング(SDSN)]
⇒ スウェーデン:1〜5位、日本:20〜25位前後
[ 環境パフォーマンス指数(EPI)]
⇒ スウェーデン:上位、日本:40位前後
[ サーキュラーエコノミー・ギャップレポート ]
⇒ 北欧:高スコア、日本:低位

これらの指数が示すのは、政策の実行力、企業行動、市民意識の成熟度がどれほど社会に根づいているかという一つの目安です。
この差を総合的に見ると、日本とスウェーデンの取り組みには、分野によって数年〜15年程度の開きがあると言われています。
特に差が出やすい領域は次の5つです。
- 1. 小売DX × 食品ロス削減
- 2. 食品ロス削減政策(行政の制度設計)
- 3. 寄付文化・フードバンクの成熟度
- 4. サーキュラーエコノミー(循環型経済)
- 5. 環境教育・市民意識
これは技術力の差ではなく、“社会がいつ本格実装に踏み切ったか”の違いと言えます。
スウェーデンの現在は、日本の数年〜10数年後の姿。
現地を歩くことで、日本が今後どう進んでいくのかを具体的に考えるための材料が得られます。
【3】日本のサステナビリティは今後どう進むか?そのストーリー

スウェーデンの現在は、日本にとっての“未来の鏡”です。
ここからは、日本が今後10年で歩む可能性の高いストーリーを描いてみます。
1.人手不足が限界に達し、DXとサステナビリティが不可分になる
効率化・自動化は「環境配慮のため」ではなく、「業務が回らないから必要」というフェーズへ。
2.国の制度(ESG・食品ロス法・プラ新法)が強制力を持ち始める
これまで“努力義務”だったものが、実質的に企業行動を変える推進力に変わります。
3.自治体が“地域循環”を政策として本格化
食品ロス、資源回収、寄付の仕組みが「地域単位で動く」ように。
スウェーデンの自治体モデルと同じです。
4.消費者の価値観が2030年頃を境に大きく転換
Z世代の購買力が高まり、「環境負荷の低い商品を選ぶ」ことが当たり前に。
5.日本ならではの“現場からのサステナビリティ”が実装される
現場改善力 × テクノロジーを組み合わせた、日本独自のサステナビリティモデルが誕生します。
【まとめ】スコープがスウェーデン視察を続ける理由

スウェーデンを訪れることは、単に「成功している国の事例を学ぶ」ためではありません。
そこには、日本が気付いていない視点を発見し、将来へ向けた道筋を描くための “学びの鏡” が存在します。
現地を歩くと、
・政策・教育・日常生活が一つの線でつながる社会の姿
・食品ロス削減や寄付、循環型経済が“当たり前”として機能する文化
・無理なく継続できるDXや運用改善の実装モデル
が、驚くほど自然に、しかし確かな形で生活の中に溶け込んでいます。
その様子は、「日本がこれから向かうべき未来の姿はここにある」
と気づかせてくれます。
また、スウェーデンの“現在”は、日本にとっての “未来の日本市場そのもの” です。
人口構成、価値観、環境意識、地域連携の在り方――日本がこれから経験する変化のヒントが、すでに社会全体に実装されています。
だからこそ、私たちスコープはスウェーデンを訪れ続けます。
海外事例を持ち帰るためではなく、日本の現場で「未来をどう実装するか」をともに考えるために。
スウェーデンは、日本の課題を客観視し、日本の未来を先取りする“学びの場”です。
そして、その学びをいち早く現場に落とし込み、
日本の小売業界における「未来の店舗運営」を形にしていくこと――
それこそが、スコープが毎年視察を続ける最大の目的です。
■ 2026年度「サステナビリティ視察ツアー in スウェーデン」開催のお知らせ

2026年度も、スコープはスウェーデンを中心とした北欧の先進事例をめぐる視察ツアーを開催します。
小売・流通・自治体・食品メーカー・社会福祉分野など、“持続可能な未来を本気で実装したい” と考える方々に向けたプログラムです。
視察内容(予定)
・北欧スーパーの食品ロス削減・DX運用の現場視察
・自治体の循環型社会モデルの視察
・寄付・フードバンクの仕組みづくり
・環境教育の取り組み
・スウェーデン企業による最新サステナビリティ実装事例
など、2026年度版としてさらにアップデートしてお届けします。
資料をご希望の方へ
視察ツアーの詳細資料(プログラム案・費用・日程候補・過去の参加者の声など)をメールにてお送りいたします。
ご希望の方は、こちらから
「サステナビリティ視察ツアーinスウェーデンについて」から“資料の送付希望”とご入力ください。
今年こそ、未来の店舗運営を“現地で体験する”一歩を一緒に踏み出しませんか。
この記事を書いた人
小川訓昌
流通業界での企画・デザイン業務を経て、2011年のポートランド視察をきっかけに「サステナビリティ」や持続可能な社会づくりをテーマに活動を開始。2020年にはスウェーデン発の賞味期限管理ソリューション「Semafor(現・Expiry Management)」を日本に導入し、国内での展開をスタート。 現在はWhywaste Japanのプロジェクトパートナーとして、食品ロス削減と現場DXの推進に取り組んでいる。