Semafor を導入いただいたチェーンのご担当から、その導入効果を伺うと、以下のようなお声をいただく機会が増えてきました。

店舗スタッフが有効期限管理の重要性に気づきはじめた。
廃棄ロスを防ぐアクションを主体性を持って行えるようになった。

今まで運用してきた有効期限管理のルールに問題があったことが浮き彫りになった。
ルールを改定したところ、廃棄量を減らすことができた。

多くの皆様が業務負担(作業量)の大幅削減や、経費の削減とご回答いただく中、このような付加価値の視点でのお言葉をいただくことはうれしい限りです。
そこで、今回は、「食品ロス削減月間」の期間中ということもあり、小売り店舗から食品廃棄物を削減することのメリットにスポットを当てたいと思います。

2023/10/23 Whywaste Japan シニアオフィサー 小川 訓昌

◆食品ロスの実態は?

令和 5 年 6 月に、農林水産省より「令和 3 年度食品ロス推定値」が公表されました。
令和 3 年度の食品ロス量は 523 万トン(前年度比+1 万トン)です。このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は 279 万トン。前年度から 4 万トンの増加となりました。
※家庭から発生する家庭系食品ロス量は 244 万トン(前年度比▲3 万トン)。
今後とも事業者には、より一層の食品ロス削減のための取組を進めることが求められています。

【環境省】我が国の食品ロスの発生量の推移

◆店舗が食品廃棄物を削減するメリットとは?

Semafor を導入いただくことで、店舗から食品廃棄物を削減するチャンスが拡がります。賞味期限管理の精度を高めると同時に、期限管理のルールを改善することで、廃棄ロスを80%削減した日本のチェーン様もいらっしゃいます。では、小売店舗から食品ロスを削減するとどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

◎環境保護につながる
食品廃棄物が埋め立て場に持ち込まれ、そこで分解されると、オーガニックな物質が分解される過程でメタン・二酸化炭素が発生します。メタンは強力な温室効果ガスであり、地球温暖化に寄与します。焼却処理されると、燃焼によって CO2 が発生します。焼却によるCO2 排出は、埋め立てよりも少ないとされていますが、それでも温暖化効果があるとのこと。また、食品の生産・製造には多量の水や土地などの資源が使用されます。食品廃棄物の削減は、環境保護や資源の有効活用につながります。

◎社会課題の解決に参加できる
厚生労働省が発表した「2022 年 国民生活基礎調査の概況」によると、日本の子どもの貧困率は 11.6%となっています。日本の子ども 9 人に 1 人の割合です。実は日本の貧困問題は深刻であることが分かります。スーパーマーケットは、賞味期限間近な商品を「寄付」というカタチで食料不足に悩む人々への食品提供や社会支援を行うことができます。食品廃棄物の削減の意識を高めることで、貧困の問題に少しでも寄与できるのです。

◎地域財政への貢献
環境省が発表している年間のごみ(一般廃棄物)処理費用は各自治体の合計値で約 2 兆885 億円ほど。産業廃棄物に分類されない一般廃棄物は家庭ごみや飲食店、小売店などが含まれます。この 2 兆 885 億円は、事業者が支払っている廃棄料から、足りない分を補った金額で即ち税金です。
この事実を知ると、改めてごみの大きな問題とその処理にかかる社会的な負担について考えさせられます。事業者がごみの発生を意識し、できるだけ減らす努力をすることは、地球環境への貢献だけでなく、国や自治体の財政負担も軽減する一助となります。

◎店舗の収益を上げる

店舗からの食品廃棄は、売上金額が失われるばかりでなく、仕入れコストや在庫の保管や管理にかかる費用が無駄になります。加えて、前述した廃棄物の処理費用を負担する必要も発生します。これらの損出金額を減らし、経営の健全性を保つために食品廃棄を最小限に抑えることが必要です。

◎お客様からの信頼と好感度を高める
食品廃棄物を減らす取り組みは、企業の社会的責任に対する取り組みとして評価されます。お客様は、廃棄物を減らす努力を行う企業を支持する傾向があります。持続可能性や環境保護に対する意識の高まりに伴い、廃棄物削減が企業の競争力を向上させる要素となっています。

◎規制や法的要件への対応
廃棄物の適切な処理は、特定の規制や法律によって要求される場合があります。たとえば、食品業界では食品廃棄物の適正な処理が義務付けられています。廃棄物削減に取り組むことで、法律や各地方自治体の条例の要件に適合し、罰金や法的な問題を回避することができます。

◆廃棄率やロス率を減らすためには

小売り店舗にとっても食品廃棄物の削減は重要なテーマであり、積極的な取り組みが求められています。持続可能な店舗運営にとっての重点課題は「売上を確保しながら廃棄率やロス率を減らす」ことではないでしょうか。
食品廃棄物の削減には、Semafor の導入が役立ちます。
詳細は当社のホームページをご覧ください