2021年9月28日  Whywaste Japan シニア・オフィサー 小川訓昌

今回のテーマは、納品期限の緩和(1/3ルールから1/2ルールへの移行)について述べさせていただきます。今後、行政は、 世界的社会課題「食品ロス削減」の解決に向けた変革(システムチェンジ)のひとつとして「納品期限の緩和」を積極的に推進させることを発表しています。特に、地方の中小事業者に対してはその動きを加速させるようです。その結果として、小売店舗には様々な影響が出るでしょう。今回は、我々の得意分野である「販売期限管理」にスポットを当て、その影響と対応課題を紐解きながら、我々の有効期限管理システムアプリ「Semafor」の有効性をご説明させていただきます。今回も、筆者の推測を含んだ内容である旨を、ご了承くださいませ。

■10/30は「食品ロス削減の日」

10月は「食品ロス削減月間」です。特に10/30は「食品ロス削減の日」であるとご存知の方々は多いと思います。これは、法律(「食品ロスの削減の推進に関する法律」)の中で決められている日です。、消費者も含めた国民運動として食品ロスの削減を推進していくことが目的とされて施行されました。

■10/30は「全国一斉商慣習見直しの日」

リテール業界にとっての10/30は、「全国一斉商慣習見直しの日」です。
農林水産省は、2012年から「食品ロス削減のための商習慣検討ワーキングチーム」を発足させ、官民を挙げて、フードロスを削減するための取り組みに着手し、流通における食品ロスの原因となっている二つの商慣習の見直しを検討してきました。
①納品期限緩和(1/3ルール→1/2ルールへ)
②賞味期限表示の大括り化(賞味期限の表示方法を「年月日方式」→「年月方式」へ)

昨年10/30の食品ロス削減の日を、「全国一斉商慣習見直しの日」と定め、全国一斉での取り組みを呼びかけました。食品スーパーを中心に取組が増加(同年10月 で142事業者)したものの、地方・中小の食品スーパーにおける取組が十分に進んだとは言えないため、本年2021/10/30を再び「全国一斉商慣習見直しの日」として設定し、取組が遅れている地方・中小の事業者を中心に、取組企業数の拡大に向けて働きかけを強化して実施することを発表しました。 食品小売・卸売・ 製造事業者の団体を通じた取組の再度の要請、昨年以上に地方農政局等によ る直接訪問するとのことです。
3月9日付け「令和2年度までの取組を踏まえた課題及び今後の取組方針について (案) 」(農林水産省食料産業局バイオマス循環資源課)

農林水産省資料より
納品期限緩和に取組む事業者(令和2年10月時点)農林水産省

■納品期限緩和(1/3ルール → 1/2ルールへ)

3分の1ルールは、法律で定められているわけではなく、1990年代に食品メーカーと小売店の間に誕生した商習慣です。3分の1ルールを適用するメリットは、新鮮で安全な食品を消費者に届けられることであり、一方のデメリットはメーカー側で大量に食品ロスを生み出してしまうこととされています。食品メーカー側がルールの緩和を求めたとしても、顧客が賞味期限間近の商品を購入しない傾向があることを理由に小売店は消極的でした。 法律でないことがかえって、ルールの緩和にとっては障害だったようです。 農林水産省は、この商習慣にメスを入れ、納品期限の緩和を①取り組み事業者を増やすことと、②対象商品を拡大することを推進するとしています。

■小売業の対応課題(販売期限管理の側面から)

1/3ルールから1/2ルールにした場合の小売店舗側への影響と課題は・・・、

❶ 現状(1/3ルール時)の販売期限のまま運用すると・・・
  ➡ 販売期間が短縮、販売機会ロス、食品ロスが増え、経営を圧迫

❷ 販売期限を各小売において設定する場合
  ➡ 販売期限を延ばすと、販売期限と賞味期限が接近。
   賞味期限を見逃してしまうと信用問題に。管理の精度を高めることが重要に。

❸ 1/3ルールと1/2ルールの混在
  ➡ 販売期限管理が複雑になる。管理ツールが必要に。

❹ 1/2ルール対象商品が徐々に拡大
  ➡ 商品やカテゴリーが広がるごとに、その都度の変更対応が必要になる

❺ 1/2ルールスタート期の混乱
  ➡ 陳列されている商品よりも古い商品が多く納品されることに。
    有効期限切れのリスクが高まる。
有効期限チェックの作業量が増えるとともに、その精度が求められることに。

■1/2ルール時代の販売期限管理は、Semaforに。

納品期限緩和(1/3ルール→1/2ルールへ)に対してもSemaforは有効に機能します。
◎商品ごとに管理ルールを紐づけるので、1/3ルールと1/2ルールの区分や変更が簡単に行えます。
◎1/3ルールから1/2ルールへの変更時にも、運用方法や手順を変更する必要はありません。
◎基幹システムと連携せずに稼働することができるので、システム改修に関わる経費と人的負担はありません。
◎ルーチーンの販売期限管理の精度を高めることができます。
◎”売り切るチカラ”を付加することで、期限切れにょる商品廃棄量を減らすことができます。
◎販売期限管理の作業量を削減し、人件費をカ
ットすることができます。

■お問合せください!

詳細な説明や、デモンストレーションをさせていただきます。
お気軽にお問合せください。

30日間無料トライアル実施中