食品廃棄物ゼロへ ~スウェーデンCoop Visbyの挑戦~

サスティナビリティ先進国として知られるスウェーデンのゴットランド島にあるCoopの店舗では、Whywasteの技術を使って、食品廃棄物ゼロに向けた取り組みが行われています。食品小売店舗として、どんな取り組みがなされているのか?その一部をご紹介致します。

2021年8月31日  Whywaste Japan シニア・オフィサー 小川訓昌

■Coop Visbyでのこれまでの食品廃棄物削減への取り組み

Coop Visby店はスウェーデンの中でも、食品廃棄物削減への取り組みの先駆的店舗です。
2019年に「Sustainable Grocery Store of the Year(最優秀サステナブル店舗賞)」を受賞、2020年には、店長マーカス・ウォールグレン氏が「Sustainable Store Manager of the Year(最優秀サステナブル店舗マネージャー)」に任命されました。そして更に2021年中に、店舗での食品廃棄物をゼロにするという目標を掲げています。その努力の結果、既に食品ロスを3分の2削減することに成功しました。

Sustainable Store Manager of the Year 2020
Coop Visby店長 マーカス・ウォールグレン氏

この店舗では、3年前に長期的な計画としてサステブルプロジェクトを開始し、2018年には120トンだった食品廃棄物を、2019年で75トンまで減らしました。2020年前半の廃棄量は20トンで、最終的な廃棄量は約40トンになると予想されています。しかしなぜ、これほど順調に食品廃棄物削減プロジェクトを成功させることができたのでしょうか?

■食品廃棄物を出すビジネスの在り方を変えたい

食品廃棄物を出すビジネススタイルに問題を感じていたウォールグレン氏でしたが、すぐに問題解決に乗り出すことができませんでした。廃棄物の削減目標を達成するには、今までよりも精密な賞味期限チェックが必要でした。しかしそのための人件費の負担が大きく、目標を掲げることが困難でした。ウォールグレン氏は時間とお金の節約をしながら効果的に食品廃棄物を削減できるシステムが店舗に必要だと感じていました。

以前の賞味期限のチェックルーチンは、スタッフが全ての商品を手作業で一つ一つチェックするという方法で、過剰なコストが伴いました。

店長マーカス・ウォールグレン氏

■毎日の作業ルーチンに合うように調整されたシステム

Coop Visby店では、WhywasteのシステムであるSemaforとSemafor Deliを導入することで、 食品廃棄物の削減を劇的に加速することができました。その導入効果について、ウォールグレン氏は語ります。

Whywasteは食品廃棄物の削減活動にとって非常に重要な役割を果たしてきました。使いやすいシステムにより、何らかのアクションが必要な商品を追跡できます。これらのリスクのある商品をより効率的に見つけることができ、その結果、人件費を低く抑えることができます。

Semaforアプリには、店舗がそのままデジタル空間として再現されています。これにより、私たちの日常業務との互換性が非常に高くなります。

店舗のスタッフは毎日の賞味期限チェックを、店内を一巡するうちに終えてしまいます。賞味期限が迫った商品のみをチェックして、値下げしたり、再利用に回します。これによって担当者は一つの商品を賞味期限まで見張り続ける必要がなくなります。システムがチェックが必要な時に自動でお知らせしてくれるからです。

マーカス・ウォールグレン店長(中央)とフロアスタッフのみなさん

■品揃えと仕入れ量の調整がスムーズ

分析ツールAspektの機能が、さらなる廃棄物削減に貢献しています。

Whywasteは、私達の食品廃棄物削減プロジェクトを早い段階から助けてくれました。分析ツールAspekt を使用すると、リスクのある商品のリストにアクセスできます。このツールは、特定の商品が様々な期間に引き起こした食品廃棄物の量に関するデータも提供します。これは、それに応じて品揃えと仕入れを調整するのに役立ちます。

店長マーカス・ウォールグレン氏

これらのリストは素晴らしいです!この情報により、過剰な商品の仕入れを回避できます。長期的には、これは食品廃棄物を削減し、コストを削減することを意味します。

生鮮食品マネージャーのジェニー・ホフマン氏
毎日の日付チェックを行うジェニー・ホフマン氏

■簡単な設定と導入

システム導入時の設定と、新しいルーチンに慣れるまでWhywasteから必要なサポートを受けました。これは私たちにとって非常に貴重でした。しかし一度始めたら、あまり助けは必要ありません。システムは非常に直感的でユーザーフレンドリーであるため、経験豊富なスタッフだけでなく初心者も、効率的な方法でシステムをすばやく学習して使用できます。」

店長マーカス・ウォールグレン氏

■掲げた目標、食品廃棄物ゼロの店舗へ

Whywasteシステムを導入し、賞味期限の管理の負担から解放されたCoop Visbyは、食品廃棄物削減目標を新たに掲げました。
『食品廃棄物をゼロにする。』
これは難しい挑戦でしたが、彼らは目標達成に向けて様々な挑戦を始めました。店内で食品廃棄物が発生したら、その売場の状況や管理方法、廃棄物を出さないためにどんな工夫が必要か、売場に合わせて適切な管理を始めました。

  • 訳ありの果物や野菜は割引価格で販売されます。
  • 売れ残りのバナナは地元の会社へ提供し、そこでアイスクリームになります。
  • 毎週月曜日、カウンターに残っている魚は火曜日の配達の前に競売にかけられます。このシステムはまもなく店内の他の部門でも実施されます。
  • 売れ残ったパンも再利用します。シナモンツイストからビスケットを作り、バゲットからガーリックブレッドを作り、パンからパン粉を作ります。
  • 売れ残った果物は地元のホテルへ提供し、そこでジュースになります。
  • 学生とのコラボレーションも、店舗が食品廃棄物を削減するのに役立っています。

■パズルの最後のピース-The Greenbox

Coop Visbyの食品廃棄物の削減努力の最後の一手は、The Greenboxと呼ばれるマシンです。これは、店舗が様々な手法を講じて食品廃棄物を削減し、それでも残る最後の36トンを処理します。
カビの生えたオレンジ、熟れすぎたリンゴ、または期限切れの鶏肉は全て、The Greenboxに廃棄します。そこにある廃棄物は土壌に変換され、後で店のトマト栽培に使用したり、顧客に販売したりすることができます。

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