前回は、①消費スタイル篇として、「サステナビリティの必要性に消費者はもう気づいている!」という内容を記させていただきました。今回は、食品ロス問題を事例に、「社会からの要請(行政指導含む)が一層高まる中、店舗におけるサステナビリティの実装(店舗SX)が急務です。」という内容を述べさせていただきます。筆者の推測も含んだ内容である旨、ご了承くださいませ。

■日本政府では二つの法律を制定

食品ロス問題に関しては、日本政府は二つの法律を制定しています。

1:食品ロス削減推進法 (食品ロスの削減の推進に関する法律) 

食品ロスの削減に関し、基本方針の策定その他食品ロスの削減に関する施策の基本となる事項を定められています。法的な罰則はなく、努力義務にとどまっているものの、

  • 都道府県・市町村は、基本方針を踏まえ、食品ロス削減推進計画を策定する
  • 事業者は、国または地方公共団体が実施する食品ロスの削減に関する施策に協力するよう努める

との規定が明記されています。
ロス削減の行動をとるためのインセンティブが不十分な課題に対し、”海外のように強制力を持たせるべきだ”との指摘も多く、今後、「義務」としての規定、「罰則」や「インセンティブ」が付加されることが予想されます。

2:食品リサイクル法 (食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)

売れ残り・食べ残し・製造過程で発生する食品ロスを抑制してロス量の削減と、肥料などへ再利用など食品循環資源の再利用を促進に関する法律です。事業系食品ロス量を30年度までに2000年度よりも半減させる目標も設定されています。

年間の食品廃棄物等が100トン以上発生する食品関連事業者には罰則が適用されますが、中小企業においても、廃棄物の発生量や再生利用量等については、最低1年単位で記録しておくことが義務付けられています。申告する必要はありませんが、実施状況は、農政局や農政事務所等が調査・点検を行うことになっており、対応が必要です。

■海外における、食品廃棄物削減に関する法律

食品ロス問題が世界的な課題である中、法令やインセンティブを用いた施策を行っている国々があります。その成果は世界各国から注目されているようです。成果のある事例は日本にも上陸する可能性は高いのではないでしょうか?

<フランスの食品廃棄物削減に関する法律>

フランスは、2025年までに食品廃棄物を50%削減するという目標を掲げています。
具体的な法律としては、

  • 店舗面積が 400 平方メート ルを超える大型スーパーを対象として、賞味期限切れなどの理由による食品廃棄を禁じる
  • 事前に契約した慈善団体に寄附するか、肥料や飼料に転用(再利用)するこ とを義務付ける
  • 違反した場合には罰金が科せられる

<イタリアの食品廃棄規制法>

一方、イタリアでは、フランスのような罰則型ではなく、インセンティブ方式の法律となっています。

  • スーパーや店が余った食品を寄付したら最大20%の税控除を与える。
  • 医薬品も寄付の対象。

ランス・イタリアの食品ロス削減法 ― 2016 年法の成果と課題 ―(参議院常任委員会調査室・特別調査室)

日本の場合、衛生面などの規定からハードルが高い可能性がありますが、「寄付」につなげての食品ロス削減の義務付けもあろうかと考えられます。 貧困問題への解決にもつながるため、行政は注力してくると思われます。

■社会システムの変革が必要な時代

 8/9、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、人間が地球の気候を温暖化させてきたことに「疑う余地がない」とする報告を公表しました。さらに、「向こう数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に、地球温暖化は摂氏1.5度及び2度を超える」とも警告しました。

 サステナビリティの話題では、消費者に対して、「個人でもできること」を啓発する記事を見受けます。それ自体は、とても大切であることは勿論ですが、社会課題を解決し未来を変えるためには、社会システムそのものを変革する必要があります。そのためには、技術のイノベーションに期待が高まりますが、一方で、法令の発動による規制や罰則強化に頼らざるおえないことも事実です。前述のIPCCの公表を受けて、小泉環境大臣は、「大胆な政策強化に全力を尽くさなければならない」とコメントしています。 脱炭素社会への取り組みの一環として、小売業にも、規制強化の波が押し寄せることが予想されます。それに向けた準備と合わせて、個店単位での社会課題解決に向けた積極的な取り組みが求められています。

■食品ロスへの対策をリーズナブルにはじめませんか?

 システムを構築しようとすると、人、時間、経費で大きな負担が発生します。開発期ばかりでなく、運用期においても同様です。そのような理由で一歩を踏み出せない企業様も多いのではないでしょうか?『Semafor』は、リーズナブルに、1店舗からでも導入いただけるアプリケーションです。しかしながら、販売期間チックの作業時間と食品廃棄物を的確に削減する機能を実装しています。

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2021年8月17日
Whywaste Japan シニア・オフィサー 小川訓昌